日常的にものを見るということは、曖昧な意味の輪郭を通り過ぎていくように眺めることだと考られます。この作品は、自分の身の回りにあるものを布で覆い隠し、その形状を保った布だけを樹脂により硬化させ抜き取った作品です。中身の無い半透明な布は、鑑賞者へその内部を意識させます。布によってモチーフとなる〈もの〉の表面を操作することで、そのモチーフの情報を消していきます。鑑賞者は、断片的に残る表面的な輪郭からその布の中身となる何もない内側のイメージを作り出します。
Year: 2010
Technique and Medium: 布, エポキシ樹脂
Exhibition
2010 「art award tokyo marunouchi 2010」 行幸地下ギャラリー〈東京〉
http://www.artawardtokyo.jp/2010/ja/
2010 「disappearance」 立体ギャラリー射手座〈京都〉