Title | SCAN

Year | 2017

Genre | An installation

Technique & Medium | 3D Scanning, 4-channel Full HD video

Duration | 15min

Dimensions | Variable size ( in this Exhibition Space-17m×10m×12m)

Artist | Yushi Yashima

Technical Cooperation | Shogo Tanaka,Mitsuru Tokisato(TOKISATO PLAYER)

Photo | ©Daisaku OOZU

 

[SCAN]Projection for front screen

[SCAN]Projection for right screen

[SCAN]Projection for back screen

[SCAN]Projection for left screen

 

時間軸を持った映像として被写体を記録することができる3Dスキャナを使い、人、街、風景の撮影を行った。とりとめなく過ぎて行く日々を意識的に捉えるため、作品のモチーフを“流れ”に絞り、群衆、自然、日常の所作などの、不可算なものや行為を象徴的に扱った。

撮影は、体の前後左右4方向に3Dスキャナをセットし、自分を中心とする世界をスキャンした。展示空間では、それら撮影時の3Dスキャナの位置と時間の関係を保ったまま、繋がりのある4つの映像として会場の壁面に投影した。その他にも、ATMからお金を引き出す、歯磨き粉を歯ブラシにのせるなどの、普段意識せずに行なう生活の行為や、干された作業靴、風にはためく店頭の幟などの普段目に留めないような風景が、2画面や1画面だけの映像としてインサートされる。

日常の空白を抜き取るようにスキャンする。スキャンされた3Dメッシュは、曖昧な表面の輪郭を保ちつつ、デジタルなデータとして機械にメモリーされる。私たちは、無数の通り過ぎるもの、見過ごされるものに包まれて日々生きている。それら多くの空白により世界は埋められている。私たちが過去の記憶を遡るとき、表面的な輪郭を辿ることしかできない。機械によってスキャンされた世界の曖昧な表面のメモリーは、私たちが知覚した世界の記憶と重なり合う。展示作品の中心からの眺めは、不在の私の身体から眺める景色である。

技術協力
3D撮影システム開発 田中翔吾
映像再生システム 時里充(TOKISATO PLAYER)